月別アーカイブ: 2010年4月

漁と農と立ちどまり。

ほんとは今ごろイタリアだったのだけど、日本にいる。

週末、若狭を巡る旅に出かけた。
これはその一枚。
沢山のじんわりしたいい出来事があったのだけど、
この写真は朝4時起きで大敷網漁船に乗せてもらったときのもの。

授業で習うとき、農業と漁業ってなんだかいっしょくたに紹介されるけど、
漁を目の当たりにして、全然、全然違うってことがわかった。
衝撃のできごと。

特に大敷網漁だからかもしれない。
魚が入り込んでしまうように仕掛けられた網のまわりを
船3隻に乗り込んだ3〜40人の男達が囲い込み、
一気に魚を追い込んで引き上げる。
威勢のいいかけ声と笑い声、勢いと完璧なチームワーク。
これはもう祭だなと思った。
博打的な要素もある。当たり前だけど、漁って
狩猟民族の生業だってことがものすごく腑に落ちた。がってん。
農業と漁業の見方を変えることにした。

この旅は、日本中から農業を学ぶ若者達が研修にきている
農楽舎(2年泊まり込むらしい)に泊めていただいた。
私たちも5月の田植えにむけて種モミの準備をして、
じゃがいも畑をお世話してきた。

この春の山の、若葉のもえぎ色と山桜のピンクが淡く混ざるかんじが
もうほんとうに綺麗で、ため息。

気比の松原のコントラストも美しかったのです。
地元のおばちゃんたちが郷土料理をふるまってくれて、
集落と呼ばれるところのなかにどっぷり漬かって、
集落の成り立ちが少しだけ見えた気がする。

そして今。
ほんとうはイタリアにいるところ、いま日本。

イタリア行きの前夜、夜中。フロアで1人仕事をしていたら、
祖父の訃報が入った。

このあいだ調子を崩したときいて、若狭の旅を切り上げて
おじいちゃんに会いに行っていた。だいぶん元気になっていて、
笑顔で話せて、ああよかったとおもって、帰ってきた矢先。

じつは今回のイタリアの旅ではいろんなアレンジメントを頼んであり、
準備も進めていて、自分にとっては大きな意味のある旅になる予定だった。

けれど祖父の訃報をきっかけに、方向感覚を失った。
身近な人がいなくなることに勝るものはない。
夜中の会社でひとり、とてもさみしかった。

生きていくなかで、一番だいじにだいじにしたいもの、ほしいものって
なんなんだろうって、ぼーっと思いながら、タクシーで帰った。
たぶん答えはじんわり見えていて、
そうすると、今のあたしの立つ場所とか、挑戦するものは、
少なくともいまは見失ってしまった気がしている。

きっと消化しきれないときに、書くんだと思う。
だからこういう場は、すごく上下に感情がぶれたときを
映す形になっちゃうのだけど。

ちゃんと書いておいて、また考えようとおもう。