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広場は街の劇場空間

日本で建築を勉強している頃から、
「ヨーロッパの街は広場と教会を中心に成り立っています」
ということはよく聞いていたけど、いまいちイメージが湧かなかった。
設計課題で広場を作ろうとしても、日常的に広場を活用するイメージなんて思い浮かばない。
でもイタリアに来て、おなかの底から分かったきがする。
広場は「街の劇場空間」なのだ。

イタリアのほんとうにユニークな、基本的な前提知識は、
街のひとがとにかく広場に集まること。
実家やシェアハウスのリビングに皆の様子を見にいくかのように、
「今日の街はどんなかんじだろう?」って街の広場に顔を出しにくる。
それを見てるだけでも楽しいけど、イタリア人は広場を自由に活用して
さらに違う表情を見せてくれるのがおもしろい。


今日は、エミリアロマーニャ州の街が一同に会して、
ツーリズムフェスをやってた。
各街が競って街自慢するブースたち。
こういうのって普通は室内会場でやるけど、外でやっちゃうのがイタリア流。

….なんだかおじさんばっかり映っちゃった。


ついでに。
イタリアのユニークポイントもうひとつ。
リタイア後のおじさまたちが、一日じゅう街のあちこちで
輪っかをつくっておしゃべりしてる。

おばさまの井戸端会議ならぬ、おじさま井戸端会議。
こんな輪っかがあったら、モーレツサラリーマン日本人の老後も安心なのにね。


先日はミッレミリアという、古いレーシングカーでイタリアを
縦断するレースがあった。 http://www.1000miglia.eu/
そのとき広場は、アンティークカーの展示会場に早変わり。
ちなみにこのアンティークカーレース、圧巻。
紅の豚の世界に迷い込んだのかと思った。
一行は夜中の12時すぎにフェラーラに到着したのだけど、
街をあげて大歓迎、見学客で大混雑。


これは夜の風景。
若者達がたむろってる。基本的に立ってる。
今思うと、さっき紹介したおじさま井戸端会議は、
この若者達がそのまま大人になった風景なんだね。

友人と会うために広場に行き、
展示会場やマーケットの代わりに広場で催しが開催され、
バーやカフェに行く代わりに広場で時間を過ごす。
街じゅうのひとの経験と時間の共有の場が、広場なのです。
沢山の人生がここで演じられていて、とても面白い。

広場で過ごす感覚は、ソーシャルメディアで友人達と繋がっている感覚に近い。
広場はSNSが始まる前から、その機能を果たしていたんだと思う。

もう一つ、ヨーロッパにおける広場の位置づけを顕著に表しているのが、
先日のフランス大統領選後、バスティーユ広場に集まった市民達の光景。
別の方の言葉を借りると、まさに「公共空間が人々の手に取り戻されている」

こういう場所が、日本につくれたらって思うのです。