以前、一時帰国したときのトークイベントで、井口奈保さんに
ゲストスピーカーとして登場していただいたときの映像が
彼女のブログにアップされています。
奈保さんは、23歳でUSの大学院に進んで組織心理学を学び、
その5年後に日本に帰国。
TEDxTokyoの立ち上げから中核を担い、新しい組織形態を試みながら
TEDの生み出す世界観を日本に広め、
さらにCommunication Process Designerとして活躍している方。
帰国からさらに5年後の今年、再び日本を発ち、ドイツへ移住されました。
この映像は、私達のトークイベント「ローカルをデザインする ~次の世界で見てきたこと」にクロスしながら、
・彼女が考える組織論
・これから求められる場所(≒彼女が作ろうとしている場所)
というお題に応えてもらったものです。
以前の一時帰国時は、私自身、海外生活で感じてきたことが溢れて
整理できていない状態で、同時に全身で日本の空気を受け止めて
少し混乱していたころでした。
そんな当時なりに、自分が思う、みんなに伝えたいことを
覚束ないながらに彼女に伝えようとしていました。
日本と、私が見てきた世界・各地の仲間達を繋いでどんなことに挑戦したいのか。
そして彼女の日本生活5年間の、Communication Process Designerとしての
集大成ともいえる少人数セッションに参加しながら、
彼女の組織論の試みにつながる公私に渡るバックグラウンドを聞き、
私がこれから作っていきたいものに対するヒントを多く受け取ったのでした。
それらを経ての、この映像。
彼女の想いがとても詰まっています。
映像のなかで、彼女はこう話します。
自分が考える組織とは、「死」を前提とするもの。
必ず成長して、サバイブする、ということがア・プリオリである
組織論には違和感を感じている。
自分が信じる組織論は、「死」を迎えてもいい。
死に対して準備があるものなのか、突然なのか。
自分は、時間と人々の意識をデザインする。
自身がいて、そこに生まれてくるのが「場」である。
“安全に、健康”に生きて行ける場を探していく、作っていく。
死を前提とした組織。
組織は生き物で、そしてそれは“死”に得るものであるということ。
安全、健康。生きる場所。
これは私自身、南米・ブラジルで暮らして以降、心から感じるようになったこと。
日本のなかにいるだけでは感じられなかったこと。
彼女はいま、自身自身の生き方自体を作品として眺めながら、
ベルリンで新しい暮らしを始めました。
いつかベルリンに会いに行くときは、
私もその後のストーリーを話せるようになっていたいと思います。
奈保さんほんとにありがとう。